Claude Code でサブエージェントを使っていて、こんな壁にぶつかったことはありませんか?
- 「リポジトリ全部のエンドポイントを監査して」と頼んだら、途中でコンテキストが膨れ上がって精度が落ちた
- 500ファイルの一括移行を任せたいのに、1つの会話では到底さばききれない
- 並列でエージェントを走らせたいけど、誰がどの順番で何をやるかを毎ターン Claude に判断させると、結果がブレる
こうした「1つの会話では指揮しきれない規模」のタスクに効くのが、2026年5月に登場した Dynamic Workflows(動的ワークフロー) です。
ひとことで言うと、Claude が「オーケストレーションのスクリプト」を書いて、そのスクリプトが裏で何十〜何百ものサブエージェントを動かしてくれる機能です。あなたはやってほしいことを言葉で伝えるだけ。指揮の段取りはコードになり、結果だけがセッションに返ってきます。
この記事では、Dynamic Workflows が従来のサブエージェントと何が違うのか、3つの起動方法、組み込みの /deep-research、自分用コマンドとして保存する方法、そして見落としがちなコストの落とし穴まで、実践目線で解説します。
Dynamic Workflows とは何か
Dynamic Workflows は、サブエージェントを大規模に束ねる JavaScript スクリプトです。重要なのは、このスクリプトを書くのが人間ではなく Claude だということ。あなたが「こういうことをやりたい」と伝えると、Claude がタスクに合わせて段取りをコードに落とし込み、専用のランタイムがそれをバックグラウンドで実行します。
ポイントは3つあります。
- 段取りがコードになる:ループ・分岐・中間結果を、Claude の会話ではなくスクリプトが保持します。だから Claude のコンテキストには最終的な答えだけが残ります。
- 裏で動く:実行中もセッションは固まりません。ワークフローが100体のエージェントを回している間も、あなたは別の作業を続けられます。
- 読めて、再実行できる:Claude が書いたスクリプトはファイルに保存され、中身を読んだり、編集して走らせ直したりできます。
執筆時点(2026年6月)では リサーチプレビュー という位置づけで、Claude Code v2.1.154 以降が必要です。すべての有料プランで使え、Anthropic API のほか Amazon Bedrock・Google Cloud Vertex AI・Microsoft Foundry 経由でも利用できます。Pro プランの場合は /config の「Dynamic workflows」をオンにすると有効になります。
サブエージェント・スキル・エージェントチームとの違い
「それ、サブエージェントやエージェントチームと何が違うの?」と思った方も多いはずです。ここがいちばん大事なので、整理しておきましょう。
4つの仕組みはどれも複数ステップのタスクを回せます。違いは 「段取り(プラン)を誰が握るか」 にあります。
| サブエージェント | スキル | エージェントチーム | Dynamic Workflows | |
|---|---|---|---|---|
| 正体 | Claude が生む作業者 | Claude が従う手順書 | 仲間を束ねるリード | ランタイムが実行するスクリプト |
| 次に何を動かすか決めるのは | Claude(毎ターン) | Claude(手順に沿って) | リードエージェント(毎ターン) | スクリプト |
| 中間結果の置き場所 | Claude のコンテキスト | Claude のコンテキスト | 共有タスクリスト | スクリプトの変数 |
| 規模感 | 1ターン数体 | 同上 | 数体の長時間ピア | 1回で数十〜数百体 |
サブエージェント・スキル・エージェントチームでは、Claude(またはリード)が毎ターン「次は何を動かすか」を判断し、結果はすべてコンテキストに戻ってきます。一方ワークフローは、その判断ロジックそのものをコードに移します。
つまり Dynamic Workflows は、「もっと多くのエージェントを動かす」だけの機能ではありません。段取りがコードになることで、品質を上げる定型パターンを繰り返し適用できます。たとえば「独立した複数のエージェントに、お互いの発見を敵対的にレビューさせてから報告する」「同じ計画を別々の角度から起草して比較する」といった、一発勝負では得られない信頼性の高い進め方が可能になります。
判断の目安はシンプルです。1つの会話で指揮しきれる規模なら、まずはサブエージェント。コンテキストが溢れる規模、または段取りを再利用したいなら、ワークフロー。 マルチエージェントを使うかどうかの全体的な判断基準は、マルチエージェントはいつ使うべきかの記事も参考にしてください。
まずは /deep-research で体感する
仕組みを一番手っ取り早く体感できるのが、Claude Code に最初から組み込まれているワークフロー /deep-research です。これは「ある問いを多数の情報源にあたって調べ上げる」専用のワークフローです。
/deep-research Node.js の permission model は v20 から v22 で何が変わったか
実行すると、こんな流れで進みます。
- いくつもの切り口で Web 検索を並列に投げる
- 見つかった情報源を取得し、お互いにクロスチェックする
- 各主張に複数エージェントで「票」を入れ、裏が取れなかった主張をふるい落とす
- 出典つきのレポートを1本にまとめて返す
ターンごとの長い実況ではなく、最後にレポートが1つ届くのが特徴です。検証を通らなかった主張は、あらかじめ除外された状態で返ってきます。当サイトのディープリサーチ的な使い方に近いものを、コマンド一発で味わえます。