「Claude Code をインストールしたけど、結局 "このコード書いて" くらいしか使ってない」
もしそう感じているなら、それは相当もったいないです。Claude Code は「コード生成ツール」ではなく、ターミナルの中で動く万能な開発パートナーです。コードを書くだけでなく、バグの原因調査、リファクタリング、テスト作成、PR の準備まで、開発のあらゆる場面で力を発揮します。
この記事では、日常の開発でよくあるシーンごとに「Claude Code をどう使うか」を具体的に紹介します。プロンプト例はそのままコピペして使えるので、気になるものから試してみてください。
知らないコードを最短で読み解く
新しいプロジェクトに参加したとき、まず何をしますか? README を読んで、ディレクトリ構成を眺めて、主要なファイルを開いて……。この「地図を作る」作業、Claude に任せてしまいましょう。
まずはプロジェクト全体の地図をもらう
プロジェクトのルートで Claude を起動して、こう聞くだけです。
このプロジェクトの全体像を教えて。ディレクトリ構成、使っている技術、主要な機能を整理して。
Claude はファイルを横断的に読み、構造を整理してくれます。ここから気になった部分を深掘りしていきます。
認証まわりはどういう仕組みになってる?ログインからセッション管理までの流れを追って。
データベースのスキーマを見て、主要なテーブルの関係を説明して。
Tip: 質問は「広い → 狭い」の順で聞くのがコツです。最初に全体像を掴んでから、気になった部分にズームインすると、Claude の回答も的確になります。
特定のファイルをすばやく参照する
@ をつけるとファイルやディレクトリを直接参照できます。Claude がファイルを探す手間を省けるので、速いです。
@src/lib/db/schema.ts のテーブル定義を説明して
@src/components/ にどんなコンポーネントがあるか教えて
@ は複数同時に使うこともできます。
@src/lib/auth.ts と @src/middleware.ts の関係を教えて
Tip:
@でファイルを指定すると、そのファイルがあるディレクトリのCLAUDE.mdも自動で読み込まれます。サブディレクトリごとにルールを書いている場合、Claude がそれを踏まえた回答をしてくれます。
バグ修正を爆速で終わらせる
エラーが出たとき、自分でスタックトレースを読んで原因箇所を特定して……という作業、Claude に丸投げできます。
エラーメッセージを貼るだけ
ターミナルに出たエラーをそのまま Claude に見せましょう。
npm run build したらこのエラーが出た。原因を調べて直して。
Type error: Property 'email' does not exist on type 'Session'.
at UserProfile (src/components/user-profile.tsx:24:38)
Claude はエラーが発生しているファイルを読み、型定義を追跡し、修正案を出してくれます。原因が別のファイルにある場合も、ちゃんと追ってくれます。
再現手順を伝えるともっと正確になる
ログイン後にダッシュボードに遷移すると、3回に1回くらい白い画面になる。
コンソールには "Cannot read properties of undefined (reading 'name')" と出てる。
たぶんデータの取得タイミングの問題だと思うんだけど、調査して。
「3回に1回」「たぶん〜だと思う」のような曖昧な情報でも、Claude はそれをヒントに調査の方向性を絞ってくれます。
Tip: バグの修正案が出たら、すぐに適用する前に「他に考えられる原因はある?」と聞いてみてください。表面的な修正ではなく、根本原因にたどり着けることがあります。
リファクタリングを安全に進める
「このファイル長すぎるな」「古い書き方が残ってるな」と思ったとき、Claude に頼めば既存の動作を壊さずにリファクタリングできます。
ファイル分割
src/lib/api.ts が 600 行あって読みにくい。
機能ごとにファイルを分割して。import してる側も全部更新して。
古い書き方の更新
utils/ にある関数で、Promise チェーン(.then().catch())を使ってるものを
async/await に書き換えて。動作は変えないで。
リファクタリングのあとは必ず検証
さっきのリファクタリングに関連するテストを実行して、全部通るか確認して。
Tip: リファクタリングの前に「今の状態をコミットして」と Claude に頼んでおくと安心です。万が一変更がおかしくなっても
git checkout .で戻せます。
プランモードで「まず考える」
大きな変更を加える前に、いきなりコードを書き始めるのは危険です。Claude Code にはプランモードがあり、コードを読み取り専用で分析して計画を立ててくれます。
プランモードの切り替え方
セッション中に Shift+Tab を押すとモードが切り替わります。画面下部に ⏸ plan mode on と表示されたらプランモードです。
起動時から使いたい場合はこうします。
claude --permission-mode plan
使いどころ
- 複数ファイルにまたがる大きな機能追加
- 「どこから手をつけるべきか」がわからないとき
- コードレビューのように、変更せずに分析したいとき
認証システムを OAuth2 に移行したい。
現状のコードを分析して、移行計画を立てて。影響範囲も洗い出して。
Claude は既存のコードを読んで、ステップバイステップの計画を出してくれます。計画に納得したら通常モードに戻して実装を始めましょう。
Tip: 計画を見ながら「後方互換性はどうする?」「DB マイグレーションの手順は?」のように突っ込んでいくと、計画がどんどん精緻になります。
Ctrl+Gを押すとテキストエディタで計画を直接編集もできます。
テストを効率よく書く
テストを書くのは大事だとわかっていても、面倒で後回しにしがちです。Claude に任せれば、既存のテストパターンに合わせたテストを一気に生成できます。
テストがないコードを見つける
src/lib/services/ の中で、テストが書かれていない関数を洗い出して。
テストを生成する
NotificationService のテストを書いて。
正常系だけじゃなく、通知先が空のケースやネットワークエラーのケースも入れて。
Claude はプロジェクトの既存テストを読んで、同じフレームワーク(Jest、Vitest、pytest など)、同じアサーションパターンで書いてくれます。
生成されたテストを実行して確認
今書いたテストを実行して。失敗したら修正して。
Tip: 「他に見落としてるエッジケースはない?」と聞くと、Claude がコードパスを分析して追加のテストケースを提案してくれます。自分では思いつかないパターンが見つかることがあります。
PR をスムーズに作る
変更が完了したら、PR の作成も Claude に頼めます。
シンプルに頼む
今の変更で PR を作って
これだけで、Claude は差分を分析し、適切なタイトルと説明をつけた PR を作成してくれます。内部的には gh pr create を使っています。
もう少しコントロールしたいとき
段階を分けて進めることもできます。
今回の変更内容をまとめて
↓
それをもとに PR を作って。レビュアーに伝えたほうがいいリスクや注意点も description に入れて。
Tip: PR を
gh pr createで作ると、そのセッションが PR に自動リンクされます。あとでclaude --from-pr 42のように PR 番号を指定すれば、そのときのコンテキストを持ったまま会話を再開できます。
subagent で重い処理を任せる
Claude Code には「subagent(サブエージェント)」という仕組みがあり、特定のタスクを専門のエージェントに委任できます。
普通に頼むだけで、Claude が自動的に適切な subagent を選んでくれます。
最近のコード変更にセキュリティ上の問題がないかチェックして
テストを全部実行して、失敗したものを直して
カスタム subagent を作る
自分のプロジェクトに特化した subagent を作ることもできます。
/agents
と入力すると、利用可能な subagent の一覧が表示され、新しいものを作成できます。.claude/agents/ にファイルとして保存されるので、チームで共有することも可能です。
Tip: subagent に渡すツールは、実際に必要なものだけに絞りましょう。コードレビュー用の subagent に書き込み権限は要りません。
Read, Grep, Globだけ許可する、のように制限しておくと安全です。
過去のセッションを再開する
Claude Code は会話をローカルに保存しています。途中で中断した作業を、翌日そのまま続きから再開できます。
よく使う再開方法
# 最新の会話をそのまま続ける
claude --continue
# セッションの一覧から選ぶ
claude --resume
# 名前をつけて再開する
claude --resume auth-refactor
セッションに名前をつける
作業を始めたら、早めに名前をつけておくと後で見つけやすくなります。
/rename payment-integration
セッションピッカー(/resume)では、矢印キーで選択、P でプレビュー、R でリネーム、/ で検索ができます。
Tip: セッション名は「何の作業をしたか」がわかるものにしましょう。「auth-refactor」「fix-cart-bug」のように。デフォルトの「explain this function」のままだと、3日後には何の会話だったか思い出せません。
Git Worktree で並列に作業する
「機能Aの実装中に、急ぎのバグ修正が入った」——こんなとき、ブランチを切り替えるとコンテキストが失われて面倒です。
Git Worktree を使えば、リポジトリの独立したコピーを作って並列に作業できます。
# worktree を作成して Claude を起動
claude --worktree feature-auth
# 別のターミナルで、別の worktree で作業
claude --worktree hotfix-login
それぞれの worktree が独立したディレクトリとブランチを持つので、お互いの変更が干渉しません。
片付けも自動
worktree のセッションを終了すると、Claude がクリーンアップを提案してくれます。
- 変更なし → worktree とブランチを自動削除
- 変更あり → 残すか削除するか聞いてくれる
Tip:
.claude/worktrees/を.gitignoreに追加しておくと、worktree の中身がメインリポジトリに表示されなくなります。
通知を設定して放置する
テストの全件実行やリファクタリングなど、時間がかかる処理を Claude に任せて別のウィンドウで作業したいとき、通知フックを設定しておくと便利です。
/hooks と入力して Notification イベントを選択し、通知コマンドを登録します。
macOS の場合:
osascript -e 'display notification "Claude Code が入力を待っています" with title "Claude Code"'
Linux の場合:
notify-send 'Claude Code' 'Claude Code が入力を待っています'
これで、Claude が許可を求めているとき、処理が完了して次の指示を待っているとき、質問があるときにデスクトップ通知が届きます。
Tip: 通知のマッチャーは
permission_prompt(許可待ち)、idle_prompt(処理完了)、auth_success(認証完了)、elicitation_dialog(質問あり)の4種類から選べます。全部設定するのが無難ですが、通知が多すぎると感じたらidle_promptだけに絞るのもアリです。
パイプで既存のワークフローに組み込む
Claude Code は対話モードだけでなく、Unix のコマンドラインツールとしても使えます。-p フラグをつけると、1回だけ処理を実行して終了します。
コミット前の自動レビュー
git diff --staged | claude -p "この差分にバグやタイポがないかチェックして。問題があればファイル名と行番号つきで報告して"
ビルドエラーの自動解析
npm run build 2>&1 | claude -p "このビルドエラーの原因を簡潔に説明して"
package.json のスクリプトに組み込む
{
"scripts": {
"review": "git diff --staged | claude -p 'コードレビューして。バグ・タイポ・パフォーマンスの観点でチェック。問題があればファイル名:行番号の形式で報告して'"
}
}
npm run review で、コミット前にいつでもレビューを走らせられます。
出力形式の指定
スクリプトで結果を加工したい場合は、出力形式を指定できます。
# プレーンテキスト(デフォルト)
claude -p "依存パッケージの脆弱性を確認して" --output-format text
# JSON(メタデータつき)
claude -p "このコードを分析して" --output-format json
# ストリーミング JSON(リアルタイム出力)
claude -p "ログを解析して" --output-format stream-json
Tip:
-pモードは CI/CD パイプラインに組み込むのにも使えます。GitHub Actions の中でclaude -p "この PR の変更をレビューして"を走らせれば、自動コードレビューの完成です。
画像を見せて相談する
Claude Code は画像も理解できます。エラーのスクリーンショット、デザインモック、ER図など、テキストで説明するより画像を見せたほうが早い場面で活躍します。
画像の渡し方
- Claude Code のウィンドウに画像をドラッグ&ドロップする
- クリップボードにコピーして Ctrl+V で貼り付ける
- ファイルパスを伝える:
この画像を見て: /path/to/screenshot.png
使用例
このスクリーンショットに写ってるエラーの原因を教えて
このデザインモックを再現する HTML と CSS を書いて
この ER図を見て、Drizzle のスキーマに変換して
Tip: Claude が画像を
[Image #1]のように参照した場合、Cmd+Click(Mac)または Ctrl+Click でリンクをクリックすると、デフォルトのビューアで画像を開けます。
拡張思考で難問に挑む
Claude Code はデフォルトで拡張思考(Extended Thinking)が有効になっています。これは Claude が回答する前に、内部でじっくり考えるための仕組みです。
複雑なアーキテクチャの判断、原因不明のバグ、複数の選択肢を比較検討する場面で特に効果を発揮します。
思考の深さを調整する
/model コマンドで努力レベル(低・中・高)を変更できます。
- 高(デフォルト):複雑な設計判断やバグ調査に
- 中:通常の機能実装に
- 低:簡単な質問やフォーマット変換に
Alt+T(Windows/Linux)または Option+T(macOS)でセッション中に思考のオン/オフを切り替えられます。
Claude が何を考えているか見たい場合は、Ctrl+O で詳細モードをオンにすると、内部推論がグレーのイタリック体で表示されます。
Tip: 「think」「think hard」「ultrathink」などのフレーズは、ただのプロンプト指示として処理されます。思考トークンの割り当てには影響しないので注意してください。思考の深さを変えたい場合は
/modelか努力レベル設定を使いましょう。
まとめ:明日から使えるプロンプト一覧
最後に、この記事で紹介したプロンプトの中から、特に汎用性が高いものをまとめておきます。
| シーン | プロンプト例 |
|---|---|
| プロジェクト理解 | このプロジェクトの全体像を教えて |
| コード調査 | @src/lib/auth.ts の認証フローを説明して |
| バグ修正 | このエラーの原因を調べて直して:(エラー貼り付け) |
| リファクタリング | このファイルを機能ごとに分割して。import も更新して |
| テスト作成 | この関数のテストを書いて。エッジケースも含めて |
| PR 作成 | 今の変更で PR を作って |
| セッション管理 | /rename feature-name → claude --resume feature-name |
Claude Code は「使い方を知っているかどうか」で生産性が大きく変わるツールです。全部を一度に覚える必要はありません。今日の作業で使えそうなものを 1 つ試してみて、少しずつ引き出しを増やしていきましょう。